作ったアプリを App Store や Google Play で公開するには、ストアの審査を通る必要があります。初めて申請するときは、何を見られるのか、どのくらい待つのか、リジェクト(却下)されたらどうするのかが気になるものです。
この記事では、App Store と Google Play の審査の流れと、よくあるリジェクトの理由、却下されたときの対応を紹介します。内容は、2026年10月時点の Apple と Google の公式の情報をもとにしています。
結論:ガイドラインを先に読み、審査する人が迷わない状態で出す
審査で多い問題は、ガイドラインの細かい解釈よりも、「アプリが完成していない」「必要な情報が足りない」といった準備不足です。 提出の前に、ストアのガイドラインとチェックリストを読み、審査する人がアプリのすべての機能を問題なく確かめられる状態にしておきましょう。
アプリの審査とは
アプリの審査は、ストアを運営する Apple や Google が、アプリがストアのルールに合っているかを確かめる手続きです。 利用者が安全にアプリを使えるように、新しいアプリだけでなく、アップデートも審査の対象になります。
App Store の審査
審査の流れ
- App Store Connect に、アプリの情報(説明文、スクリーンショット、プライバシーポリシーの URL など)を入力する
- Xcode などからアプリをアップロードし、審査に提出する
- Apple の App Review が審査する
- 結果が App Store Connect に届く。通過すれば公開でき、通過しなければ理由が示される
審査のステータスは、App Store Connect や、iPhone・iPad 向けの App Store Connect アプリで確認できます。
審査にかかる時間
Apple の App Review のページでは、提出したものに不備がある場合、審査に時間がかかったり、審査を通過できなかったりする可能性があると案内されています。 公開日が決まっている場合は、余裕を持って提出し、App Store Connect で公開のスケジュールを設定しておくと安心です。
重大なバグの修正や、日付の決まったイベントに関わるアプリなど、正当な理由がある場合は、審査の優先処理(迅速な審査)をリクエストすることもできます。

審査ガイドラインの5つのセクション
App Store の審査は、App Review ガイドラインに沿って行われます。 ガイドラインは、次の5つのセクションに分かれています。
| セクション | 主な内容 |
|---|---|
| 1. 安全性 | 不適切なコンテンツから利用者を守る |
| 2. パフォーマンス | アプリの完成度や、動作の安定性 |
| 3. ビジネス | 課金などの支払いの方法やビジネスモデル |
| 4. デザイン | 使いやすさや、独自性 |
| 5. 法的事項 | プライバシーや知的財産権 |
すべてを一度に覚える必要はありませんが、自分のアプリに関係しそうなところ(課金があるなら「3. ビジネス」、ログインがあるなら「5. 法的事項」のプライバシーなど)は、提出の前に読んでおきましょう。
Google Play の審査
審査の流れ
- Play Console でアプリを作成し、ストアの掲載情報や、データ セーフティなどのアプリの内容に関する情報を入力する
- アプリのファイルをアップロードして、リリースを作成する
- 審査に送信する
- 審査が終わると公開される。問題があれば、メールなどで理由が知らされる
審査にかかる時間
Google の Play Console ヘルプでは、審査に時間がかかる場合について、「最大で 7 日程度ですが、例外的にもっとかかる場合があります」と案内されています。 利用者を守るため、一部の開発者アカウントは、通常より時間をかけて詳しく審査されることもあります。
アップデートでは、「管理対象の公開」を使うと、承認されたあとに公開するタイミングを自分で決められます。
新しい個人アカウントのテスト要件
2023年11月13日以降に作った個人の Play Console アカウントでは、製品版を公開する前に、12人以上のテスターが14日間以上続けて参加するクローズドテストが必要です。 詳しくは、スマホアプリの作り方で紹介しています。審査とは別にこの期間がかかるので、公開の予定に含めておきましょう。
よくあるリジェクトの理由
Apple の App Review のページによると、平均して、未解決の問題の40%が、ガイドラインの「2.1 アプリの完全性」に関わるもの(クラッシュ、プレースホルダ(仮の内容)、不完全な情報など)です。 同じページで挙げられている「よくある問題」のうち、個人開発で特に気をつけたいものを紹介します。
クラッシュや不具合
アプリが落ちる、ボタンが反応しないといった不具合は、リジェクトの理由になります。 提出するのは、公開できる状態に仕上げた完成版だけにしましょう。最新の OS で、実機を使って一通り操作を確かめておきます。
情報が足りない
ログインが必要なアプリでは、審査する人が使えるデモ用のアカウントを用意します。 Apple のガイドラインでは、アカウントを使う機能がある場合、有効なデモアカウントか、すべての機能を使えるデモモードを用意するよう求めています。分かりにくい機能や、アプリ内課金がある場合は、App Review の「メモ」欄に説明を書いておきましょう。
仮の内容やリンク切れが残っている
「ここに説明文」のような仮の文字や、仮の画像、中身のない Web サイトが残っていると、リジェクトの理由になります。 アプリの中のリンク、サポートの URL、プライバシーポリシーの URL が、すべて正しく開けるかも確かめましょう。
プライバシーの要件を満たしていない
プライバシーポリシーがない、アプリ内から開けない、アカウントを作れるのに削除できない、といった場合は、要件を満たしません。 書き方はアプリのプライバシーポリシーの作り方でまとめています。
説明やスクリーンショットが中身と合っていない
ストアのスクリーンショットや説明文は、アプリの実際の機能を正しく表している必要があります。 ない機能を載せたり、誤解を招く表現をしたりしないようにしましょう。
機能が少なすぎる
Apple は、機能やコンテンツが少なく、長く使う価値が感じられないアプリも、審査を通らない可能性があるとしています。 実質的に同じアプリを何本も提出することも、審査を通らない理由として挙げられています。
審査に通りやすくするための準備
提出する前に、次の点を確かめましょう。Apple の「提出前のチェックリスト」をもとに、Google Play で必要なものも加えています。
- 実機で、クラッシュや不具合がないか、すべての機能を試した
- 仮の文字や画像、リンク切れが残っていない
- ストアの説明文とスクリーンショットが、アプリの中身と合っている
- ログインが必要なら、審査用のデモアカウントを用意した
- 分かりにくい機能は、審査用のメモ欄で説明した
- アプリが使うサーバーなどを、審査の期間中も動かしている
- プライバシーポリシーの URL を登録し、アプリ内からも開ける
- App Store の「アプリのプライバシー」、Google Play の「データ セーフティ」を入力した
- 連絡先の情報が最新で、審査からの連絡を受け取れる
リジェクトされたときの対応
App Store の場合
審査を通らなかった場合は、App Store Connect で、守れていなかったガイドラインの項目などの詳しい理由を確認できます。 指摘された点を直して、もう一度提出します。理由が分からないときは、App Store Connect から App Review に質問できます。
アプリの内容が誤解されていると思う場合は、App Review Board に異議を申し立てることもできます。Apple は、ガイドラインに準拠していると考える理由を明確に説明すること、却下されたもの1件につき異議の申し立ては1件にすること、追加情報のリクエストにすべて答えてから申し立てることを求めています。
Google Play の場合
Google の 違反措置の適用プロセスによると、措置が取られた場合は、関連する情報がメールで知らされます。 却下されたときは、ポリシー違反をすべて直してから再送信します。Google が誤って対処したと思う場合は、再審査を請求できます。その手順もメールで知らされます。
慌てずに、理由を読んで直す
リジェクトは、個人開発ではよくあることです。理由をよく読み、指摘された点を直して出し直しましょう。同じ理由で何度もリジェクトされないよう、直した内容は審査用のメモ欄で伝えておくと、審査する人にも伝わりやすくなります。
まとめ
- 審査は、アプリがストアのルールに合っているかを確かめる手続き。アップデートも対象
- Apple は App Review ガイドラインの5つのセクションに沿って審査する
- Google Play は、審査が長くなる場合でも最大7日程度が目安(例外もある)。新しい個人アカウントは別にテストの期間が必要
- リジェクトで多いのは、クラッシュ、仮の内容、情報不足などの準備不足
- 却下されたら理由を確かめて直し、誤解だと思うときは異議申し立て・再審査請求ができる
審査を通ったら、いよいよ公開です。公開したアプリを知ってもらう方法は個人開発アプリ・ゲームの宣伝方法でまとめています。