個人でゲームを作るなら Unity が定番、と言われてきました。一方で、最近は Godot を選ぶ人も増えています。どちらを選べばいいのか迷っている人のために、2つのゲームエンジンの違いを整理しました。
結論から言うと、情報の多さと作れるものの幅を重視するなら Unity、軽さと完全に無料であることを重視するなら Godot が向いています。
Godot と Unity の違い(比較表)
どちらも無料で始められ、2D と 3D の両方のゲームを作れるゲームエンジンです。 主な違いは次のとおりです。
| Godot | Unity | |
|---|---|---|
| 料金 | 完全に無料(オープンソース) | Unity Personal は条件つきで無料 |
| ライセンス | MIT ライセンス | Unity の利用規約に従う |
| 主な言語 | GDScript(C# も使える) | C# |
| 得意な分野 | 2D のゲーム、小〜中規模のゲーム | 2D・3D、スマホゲームなど幅広く |
| エディターの軽さ | 軽い。ダウンロードもすぐ終わる | 機能が多いぶん、容量も動作も重め |
| 情報の量 | 増えているが、Unity よりは少ない | 日本語の情報、書籍、素材がとても多い |
| 素材・拡張機能 | アセットライブラリ(無料中心) | Asset Store(有料・無料の素材が豊富) |
| Web 向けの書き出し | できる(ただし Godot 4 の C# は不可) | できる(WebGL) |
ゲームエンジン全体の比較は無料のゲームエンジン・ゲーム制作ソフト比較で紹介しています。ここでは、2つの違いをもう少し詳しく見ていきます。
料金とライセンスの違い
Godot:誰でも、ずっと無料
Godot は、MIT ライセンスで公開されている、無料でオープンソースのゲームエンジンです。 公式のライセンスのページでは、Godot のライセンスや著作権は、Godot で作ったコンテンツには適用されず、作ったゲームの著作権は作った人のものだと説明されています。ゲームを配布するときは、Godot の著作権表示とライセンスの文章を、ドキュメントなどのどこかに含める必要があります。

どれだけ売れても料金を払う必要がなく、将来ライセンスの条件が変わる心配が少ないのは、個人で長く作っていくうえで安心できる点です。
Unity:Personal は条件つきで無料
Unity の個人向けプラン「Unity Personal」は無料で使えます。 Unity の公式ページによると、過去12か月の収益や調達した資金が20万米ドル未満の個人開発者と小規模企業が使えます。個人で趣味や副業としてゲームを作る範囲なら、多くの場合は Personal の条件に当てはまるでしょう。
条件を超えると有料プランが必要になります。プランの条件は変わることがあるので、公式サイトで最新の内容を確認してください。
使う言語の違い
Godot は独自の GDScript、Unity は C# が中心です。
- GDScript(Godot):Python に似た、すっきり書ける言語。Godot のために作られていて、エディターとの相性が良い。プログラミングが初めてでも読みやすい
- C#(Unity):仕事でも広く使われている言語。覚えたことが、Unity 以外の開発にも生かしやすい
Godot でも C# を使えますが、Godot の公式ドキュメントによると、Godot 4 で C# を使ったプロジェクトは、今のところ Web 向けに書き出せません。ブラウザで遊べるゲームを作るなら、Godot では GDScript を選びましょう。

言語ごとの特徴は、ゲーム制作に使うプログラミング言語でも紹介しています。
作れるゲームと得意分野の違い
どちらも 2D と 3D の両方を作れますが、得意なところに違いがあります。
Godot は 2D のゲームを作りやすい
Godot は、2D のゲームを作るための仕組みが、3D とは別にきちんと用意されています。 画面の座標がピクセル単位で扱えるなど、2D のアクションやパズル、ドット絵のゲームを作りやすいのが特長です。エディターが軽いので、古めのパソコンでも快適に動きやすいのもうれしい点です。
Unity は幅広いジャンルと、3D・スマホに強い
Unity は、3D のゲームやスマホゲームまで、幅広いジャンルの制作実績があります。 スマホ向けの広告や課金の仕組みなど、販売に関わる機能や情報も豊富です。本格的な3D のゲームや、スマホで収益化したいゲームを作るなら、Unity のほうが進めやすい場面が多いでしょう。
情報の多さと学びやすさの違い
つまずいたときに答えが見つかりやすいのは Unity です。 長く使われてきたため、日本語の解説記事、書籍、動画、質問への回答がとても多くあります。Asset Store には、キャラクターやエフェクト、便利な仕組みなどの素材がそろっていて、自分で作らずに済む部分が多いのも強みです。
Godot の情報も年々増えていて、公式ドキュメントには日本語版もあります。ただし、細かな問題の解決方法を日本語で探すと、Unity ほどは見つからないこともあります。英語のドキュメントや、AI に質問しながら進めるのも一つの方法です。
どちらを選ぶべきか
迷ったら、次の基準で選んでみてください。
| こんな人 | おすすめ |
|---|---|
| とにかく情報が多いほうが安心 | Unity |
| スマホゲームや 3D のゲームを作りたい | Unity |
| 将来、ゲーム会社などで C# や Unity を使いたい | Unity |
| 2D のゲームを作りたい | Godot |
| お金の条件を一切気にせず使いたい | Godot |
| パソコンのスペックが高くない | Godot |
| ブラウザで遊べる軽いゲームを作りたい | どちらでも(Godot なら GDScript で) |
どちらを選んでも、ゲーム作りの基本の考え方(シーン、オブジェクト、当たり判定、入力の処理など)は共通です。最初に選んだエンジンで1本作りきれば、もう一方に移るのも難しくありません。
ブラウザで遊べる作品を作るなら、unityroom のように Unity と Godot の両方で投稿できるサイトもあります。投稿の手順は unityroom への投稿方法で紹介しています。
まとめ
- Godot は MIT ライセンスの完全に無料のエンジン。軽く、2D のゲームを作りやすい。主な言語は GDScript
- Unity は Unity Personal が条件つきで無料(過去12か月の収益・調達資金が20万米ドル未満)。情報と素材が多く、3D やスマホゲームに強い。言語は C#
- Godot 4 の C# プロジェクトは Web に書き出せないので、ブラウザ向けなら GDScript を使う
- 迷ったら、情報の多さなら Unity、軽さと無料であることなら Godot
まずはどちらかを入れて、画面の中でキャラクターを動かすところまで試してみてください。手触りが合うと感じたほうで、最初の1本を作るのがおすすめです。最初の1本を作る流れは、個人でゲームを作る方法で紹介しています。
完成したゲームは、Devoch に掲載して、遊んでくれる人に届けることができます。