アプリを公開したのに、ストアで検索してもなかなか見つけてもらえない。個人開発のアプリでは、広告に大きな費用をかけられないぶん、ストアの中で見つけてもらう工夫がとても大切です。
この記事では、そのための取り組みである「ASO」について、基本の考え方と、App Store・Google Play で見直す項目、今日からできる対策を紹介します。文字数や規則は、2026年10月時点の Apple と Google の公式の情報をもとにしています。
ASO とは
ASO(App Store Optimization:アプリストア最適化)は、アプリストアの中で、アプリを見つけてもらいやすく、選んでもらいやすくするための取り組みです。 主に次の2つを整えます。
- 見つけてもらう:ストアで検索されたときに、アプリが表示されやすくする(アプリ名、キーワードなど)
- 選んでもらう:表示されたアプリのページを見た人に、インストールしたいと思ってもらう(スクリーンショット、説明文、評価など)
どちらも、ストアに登録する情報(メタデータ)を見直すことで取り組めるので、費用をかけずに始められます。
SEO との違い
SEO が Google などの検索エンジンで Web ページを見つけてもらう取り組みなのに対して、ASO はアプリストアの中で、アプリを見つけてもらう取り組みです。 「探している人が入力しそうな言葉を考え、それに合った情報を用意する」という基本の考え方は同じですが、ASO では、ストアが決めた項目と文字数の中で工夫する点が違います。
App Store で見直す項目
Apple は、App Store のプロダクトページの作り方を Apple Developer の「プロダクトページの作成」で案内しています。
| 項目 | 上限 | ポイント |
|---|---|---|
| アプリ名 | 30文字 | 覚えやすく、アプリの機能が分かる名前にする |
| サブタイトル | 30文字 | アプリの概要を簡潔に伝える。「世界最高のアプリ」のような具体性のない表現は避ける |
| キーワード | 100文字(コンマ区切り、スペースなし) | 検索結果に影響する。同じ種類のアプリを探す人が入力しそうな語句を選ぶ |
| プロモーション用テキスト | 170文字 | 説明文の上に表示され、新しいバージョンを提出しなくても更新できる |
| 説明文 | — | 最初の1文が最も重要。概要を1段落にまとめ、主な特徴を箇条書きにする |
| スクリーンショット | 最大10枚 | 検索結果には最初の1〜3枚が表示される |
| App プレビュー(動画) | 最大3本・最長30秒 | 消音で自動再生されるので、最初の数秒で伝わるようにする |

キーワードの欄については、複数形、カテゴリ名、「アプリ」という語、重複、商標、関連しない語、競合アプリの名前は避けるよう案内されています。評価とレビューも、検索結果の表示順位に影響するとされています。
Google Play で見直す項目
Google は、ストアの掲載情報に関するおすすめの方法で、各項目の書き方を案内しています。
| 項目 | 上限 | ポイント |
|---|---|---|
| アプリ名 | 半角30文字(全角15文字) | 機能と内容を正確に表す。絵文字や不適切な特殊文字は使わない |
| 簡単な説明 | 80文字(全角40文字) | アプリの最大の利点を要約する。「No.1」のようなランキングの表現や価格は入れない |
| 詳しい説明 | 4,000文字(全角2,000文字) | 簡単な説明の繰り返しを避け、機能を正確に説明する |
| アイコン・スクリーンショット | — | 実際の画面を使う。ランキングの表示は入れない |

Google Play には App Store のようなキーワード専用の欄はないため、アプリ名と説明文に、探している人が使いそうな言葉を自然に含めることが大切です。
個人開発でできる ASO 対策6つ
1. 探している人が使う言葉を調べる
まず、自分のアプリを探す人が、どんな言葉で検索しそうかを書き出します。 機能の名前(「家計簿」「タイマー」)、目的(「節約」「集中」)、使う場面(「勉強」「仕事」)など、いくつかの方向から考えると候補が広がります。似たアプリのストアページで、どんな言葉が使われているかを見るのも参考になります。
2. アプリ名とサブタイトルに、伝えたいことを入れる
アプリ名とサブタイトル(Google Play では簡単な説明)は、検索と第一印象の両方に効く、最も大切な欄です。 覚えやすい名前に、何ができるアプリかが分かる言葉を添えましょう。ただし、無関係な言葉を詰め込むのはガイドラインで禁止されています(後述)。
3. App Store のキーワード欄を使い切る
App Store では、100文字のキーワード欄に、アプリ名やサブタイトルに入らなかった言葉を入れます。 Apple の案内にあるとおり、重複や「アプリ」という語は避け、限られた文字数を、探している人が使いそうな別の言葉に使いましょう。
4. スクリーンショットの1〜3枚目で、何ができるかを伝える
検索結果に表示されるのは、スクリーンショットの最初の1〜3枚です。 1枚目で「何ができるアプリか」、2〜3枚目で主な特徴が伝わるようにしましょう。画面に短い説明の文字を添えると、伝わりやすくなります。
5. 説明文の最初の1文に、いちばん伝えたいことを書く
説明文は、最初の数行しか表示されないことが多いため、最初の1文が最も大切です。 誰の、どんな困りごとを解決するアプリなのかを最初に書き、そのあとに主な特徴を箇条書きにしましょう。
6. 評価とレビューを集め、レビューに返信する
評価とレビューは、検索の順位にも、選んでもらえるかどうかにも影響します。 iOS では、アプリ内からレビューを依頼する仕組み(SKStoreReviewController)が用意されていて、表示は1年間で最大3回までです。使い始めてすぐではなく、アプリの良さを感じてもらえたタイミングで依頼しましょう。届いたレビューには、App Store Connect や Play Console から返信できます。
ASO の効果を確かめる方法
見直したあとは、数字で効果を確かめましょう。 App Store では、App Store Connect のアナリティクスで、プロダクトページの閲覧数やダウンロード数などを確認できます。Google Play では、Play Console のユーザー獲得のレポートで、ストアの掲載情報を見た人がどのくらいインストールしたかや、どんな検索キーワードから来たかを確認できます。
一度に多くの項目を変えると、どの変更が効いたのか分からなくなります。スクリーンショットを変える、説明文の1文目を変えるなど、少しずつ変えて結果を見比べるのがおすすめです。
やってはいけないこと
ASO では、ストアの規則に反しない範囲で工夫することが大前提です。
- 関係のない言葉や、人気アプリの名前を入れる:Apple の App Review ガイドライン(2.3.7)は、システムを操作する目的で、商標、人気アプリの名前、価格情報、無関係な語句をメタデータに入れることを認めていません
- キーワードを繰り返し詰め込む:Google Play のメタデータのポリシーは、キーワードの繰り返しや無関係なキーワードの使用を禁止していて、アプリの公開が停止されることもあります
- ランキングや受賞を示す表現を入れる:Google Play では「No.1」「App of the Year」「人気」などの表現や受賞アイコンも禁止されています

まとめ
ASO は、アプリストアの中で見つけてもらい、選んでもらうための取り組みです。
- 探している人が使いそうな言葉を書き出す
- アプリ名・サブタイトル(簡単な説明)・キーワード欄に、その言葉を自然に入れる
- スクリーンショットの1〜3枚目と、説明文の最初の1文で、何ができるかを伝える
- 評価とレビューを集め、返信する
- アナリティクスで効果を確かめ、少しずつ改善する
- 関係のない言葉の詰め込みやランキング表示など、規則で禁止されていることはしない
ASO は、ストアの外での宣伝と組み合わせると効果が高まります。ほかの宣伝方法は個人開発アプリ・ゲームの宣伝方法で、アプリづくり全体の流れは個人開発アプリの始め方でまとめています。