個人ゲーム開発の成功例|Minecraft・8番出口・Wordleに共通すること

Devoch 編集部

Minecraft・Stardew Valley・8番出口など、個人開発から生まれたゲームや Web サービスの成功例を、公式の発表や報道で確かめられる事実をもとに紹介します。成功例に共通することと、自分の個人開発に生かせるポイントもまとめました。

個人で作ったゲームや Web サービスが、世界中で遊ばれ、使われるようになる。そんな例は、実際にいくつもあります。

この記事では、個人開発から生まれた成功例を紹介し、そこに共通することをまとめます。紹介する内容は、開発者や販売元、買収した企業の発表、信頼できる報道で確かめられる事実だけにしています。販売本数などの数字は、出典に書かれているものだけを載せています。

なお、ここでいう「成功」は、大きな売上や買収だけではありません。多くの人に遊ばれ、使われ、長く続いていることも含めて考えます。

結論:成功例に共通する4つのこと

紹介する成功例には、次のような共通点があります。

  1. 自分が欲しいもの・作りたいものから始まっている
  2. 小さく公開し、反応を見ながら育てている
  3. 遊ぶ人・使う人が、誰かに広めたくなる仕掛けがある
  4. 作り続けている

それぞれの例を見たあとで、自分の個人開発に生かせるポイントを詳しく見ていきます。

個人開発から生まれたゲームの成功例

Minecraft

仕事の合間に個人で作り始めたゲームが、世界的なヒット作になった例です。 Markus "Notch" Persson は、勤め先の仕事の合間にゲームを作っていて、2009年5月17日に Minecraft の最初の版をオンラインで公開しました。その後、販売が伸びたことで勤め先を辞めて開発会社の Mojang を立ち上げ、2011年11月に正式版を発売しています(EBSCO の解説)。

2014年9月15日、Microsoft は Mojang を25億ドルで買収することを発表しました。発表の時点で、Minecraft は PC だけで1億ダウンロードを超えていたと紹介されています(Microsoft の発表)。

Microsoftの「Minecraft to join Microsoft」の発表ページ
出典:Microsoft「Minecraft to join Microsoft」(https://news.microsoft.com/source/2014/09/15/minecraft-to-join-microsoft/)2026年10月3日撮影

Stardew Valley

1人で、必要な技術を身につけながら4年かけて作り上げた例です。 公式のプレスページによると、Eric Barone(ConcernedApe)は4年間1人で開発し、その間に音楽、絵、プログラミング、ゲームデザインに必要な技術を独学で身につけました(Stardew Valley のプレスページ)。

2016年2月に PC 版が発売され、発売から10年を迎えた2026年2月26日には、累計販売本数が5,000万本に達したことが発表されています(公式の10周年の発表)。

Stardew Valleyの公式プレスページ
出典:Stardew Valley「Press」(https://www.stardewvalley.net/press/)2026年10月3日撮影

Vampire Survivors

1人で作ったゲームが、大作を抑えて大きな賞を受けた例です。 イタリアの Luca Galante(poncle)が1人で開発した Vampire Survivors は、2023年3月30日、英国アカデミー賞(BAFTA)のゲーム部門で Best Game を受賞しました。Guinness World Records は、これを「1人の開発者によるゲームとして初めて BAFTA の Best Game を受賞した」記録として認定しています(Guinness World Records)。

8番出口

日本の個人のゲーム開発者による作品が、社会現象になった例です。 個人のゲーム開発者であるコタケ氏(KOTAKE CREATE)が2023年11月30日に発売した「8番出口」は、2026年9月7日に累計販売本数が300万本を突破したと発表されました(4Gamer.net)。作品は、マンガや小説、実写映画にもなっています(映画『8番出口』公式サイト)。

同じ地下通路を歩き、「異変」を見つけたら引き返すという、ルールをひと言で説明できるシンプルなゲームです。

Downwell

「1週間に1本ゲームを作る」練習から生まれた作品が、世界で発売された例です。 ファミ通のインタビューによると、もっぴん氏は音楽を学ぶ大学生だったころにゲーム開発を始め、海外の開発者の記事に影響を受けて、毎週1本ゲームを作る取り組みを続けました。そこから生まれた Downwell は個人で開発され、X(当時の Twitter)に投稿した動画が海外のパブリッシャー Devolver Digital の目に留まり、発売につながりました(ファミ通.com)。

Web サービス・アプリの成功例

Wordle

身近な1人のために作ったゲームが、数百万人に遊ばれるようになった例です。 ソフトウェアエンジニアの Josh Wardle は、単語パズルが好きなパートナーのために Wordle を作り、2021年10月に公開しました。11月1日の時点では90人だった遊ぶ人が、2か月後には30万人に増えています。2022年1月31日には、The New York Times Company が「7桁台の前半」の金額で Wordle を買収し、当面は無料で遊べるようにすることを発表しました(TechCrunch)。

成功例から学べること

ここからは、紹介した例をもとにした Devoch 編集部の見方です。

自分が欲しいもの・作りたいものから始まっている

紹介した例の多くは、最初から大きな成功を狙って作られたものではありません。 Wordle は身近な1人のために作られ、Minecraft は仕事の合間に作り始められました。Stardew Valley も、作り手が作りたいゲームを、時間をかけて形にしたものです。

自分や身近な人が本当に欲しいものは、何が必要かがはっきりしていて、作り続ける動機にもなります。アイデアの見つけ方は個人開発のアイデアの見つけ方でまとめています。

小さく公開し、反応を見ながら育てている

Minecraft は、2009年に最初の版を公開してから、2011年の正式版まで、公開しながら開発が続けられました。 Downwell も、毎週1本作るという小さな完成の積み重ねから生まれています。最初から完璧な形を目指すより、小さく公開して、反応を見ながら育てていくことが、結果的に大きな作品につながっています。

遊ぶ人・使う人が広めたくなる仕掛けがある

8番出口のように、ルールをひと言で説明できる作品は、遊んだ人が誰かに紹介しやすくなります。 Wordle も、公開から2か月ほどで遊ぶ人が90人から30万人に増えました。シンプルで、身近な人と話題にしやすい遊び方だったことが、広がりを後押ししたと考えられます。

作ったものを「誰かに見せたくなる」「話したくなる」仕掛けがあるかどうかは、宣伝にかけられるお金が限られる個人開発では、特に大切なポイントです。

作り続けている

成功例の作り手たちは、1本で終わらせずに作り続けています。 Stardew Valley は発売後もアップデートが続けられ、発売から10年を迎えた時点で、作者自身が「毎日たくさんの新しいプレイヤーや戻ってきたプレイヤーがいる」と書いています。もっぴん氏は、毎週1本という形で、作品を完成させる経験を積み重ねていました。

1つの作品を育て続けること、次の作品に挑戦し続けること。どちらも、成功の確率を上げるための確かな方法です。

成功例を見るときに気をつけたいこと

目立つ成功の裏には、たくさんの挑戦がある

紹介した例は、数えきれないほどの個人開発の作品の中で、特に大きく成功したものです。 目立つ成功例だけを見ると、個人開発は簡単に成功するように思えたり、逆に自分には無理だと感じたりしてしまいます。成功例は、そのまま真似をする手本というより、作り方や考え方のヒントとして見るのがおすすめです。

数字の出典を確かめる

個人開発の成功例として語られる売上や販売本数には、推測や古い情報が含まれていることがあります。 数字を参考にするときは、開発者や販売元の発表、信頼できる報道など、どこから出た数字なのかを確かめましょう。

まとめ

個人開発から生まれた成功例には、次のような共通点がありました。

  1. 自分や身近な人が欲しいものから始まっている(Wordle、Minecraft、Stardew Valley)
  2. 小さく公開し、反応を見ながら育てている(Minecraft、Downwell)
  3. 遊ぶ人・使う人が広めたくなる仕掛けがある(8番出口、Wordle)
  4. 1本で終わらず、作り続けている(Stardew Valley、Downwell)

大きな成功は約束できるものではありませんが、作ったものを公開し、届け、育て続けることは、誰にでも始められます。作ったものを知ってもらう方法は個人開発アプリ・ゲームの宣伝方法で、個人開発の全体の流れは個人開発アプリの始め方でまとめています。

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