RPG を作ってみたいと思って RPG ツクールを調べたら、MZ、MV、Unite など種類がいくつもあって、どれを買えばいいのか分からない。そんな人のために、シリーズの違いと選び方をまとめました。
結論から言うと、これから始めるなら、まずは RPG ツクール MZ の無料体験版を試すのがおすすめです。 その理由と、ほかの選択肢を順に紹介します。
RPG ツクールとは:プログラミングなしで RPG が作れるソフト
RPG ツクールは、マップを描き、キャラクターや敵、アイテムのデータを入力し、イベント(会話や仕掛け)を組み立てるだけで、RPG を作れるゲーム制作ソフトです。 プログラミングの知識がなくても、メニューから命令を選んで並べることで、ゲームの流れを作れます。
素材(キャラクターの画像、マップの部品、音楽など)が最初から入っているので、絵が描けなくてもすぐに作り始められるのも特長です。
主なシリーズの違い
今から選ぶなら、候補になるのは主に次の3つです。 公式サイトには、ほかにも VX Ace、VX、XP、2000 などの過去のシリーズが掲載されています。
| RPG ツクール MZ | RPG ツクール MV | RPG Maker Unite | |
|---|---|---|---|
| 位置づけ | 現行のシリーズ | MZ の1つ前のシリーズ | Unity の上で動く RPG 制作ツール |
| 制作する環境 | Windows・macOS | Windows・macOS | Unity(Windows・macOS) |
| 機能を足す方法 | JavaScript のプラグイン | JavaScript のプラグイン | C# のアドオン |
| 向いている人 | これから始める人 | MV の素材やプラグインを使いたい人 | Unity も使いたい人、本格的に拡張したい人 |
RPG ツクール MZ:これから始めるなら最有力
RPG ツクール MZ は、2020年8月に発売されたシリーズで、公式サイトの希望小売価格は通常版で7,980円(税抜)です。 エディターは Windows と macOS で動き、作ったゲームはパソコン向けのほか、Web ブラウザで遊べる形でも公開できます。公式サイトでは、Web で公開した作品の対応ブラウザとして、Chrome、Safari、Firefox、iOS の Safari、Android の Chrome が挙げられています。

作り方の解説やプラグイン(機能を追加する仕組み)など、利用者が公開している情報も多く、困ったときに調べやすいシリーズです。プラグインは JavaScript で作られていて、ゲームの仕組みを大きく変えることもできます。
RPG ツクール MV:素材やプラグインの資産を生かしたいなら
RPG ツクール MV は、MZ の1つ前のシリーズです。 長く使われてきたため、MV 向けに作られた素材やプラグインがたくさんあります。
ただし、これから新しく始めるなら、機能が強化された MZ を選んだほうが、長く使い続けやすいでしょう。MV 用のプラグインは、そのまま MZ で使えるとは限らないので注意してください。
RPG Maker Unite:Unity で作りたいなら
RPG Maker Unite は、ゲームエンジン Unity の上で動く RPG 制作ツールです。 RPG ツクールのようにコードを書かずに RPG を作れる一方で、Unity の機能や、C# で作るアドオンで、大きく拡張できます。
Unity を使うことになるので、Unity の基本的な操作に慣れている人、将来は RPG 以外のゲームも Unity で作りたい人に向いています。最初の1本を気軽に作りたいなら、MZ のほうが始めやすいでしょう。
RPG ツクールを無料で使う方法
RPG ツクール MZ には、公式サイトで無料の体験版が用意されています。 製品版と同じ機能を、期間を限って試せるので、まずは体験版で作り心地を確かめてから購入を決めるのがおすすめです。体験版の内容と期間は、公式サイトのダウンロードページで確認してください。
また、Steam などのストアでは、時期によってセールが行われることもあります。
無料の WOLF RPG エディター(ウディタ)との比較
完全に無料で RPG を作りたいなら、WOLF RPG エディター(ウディタ)という選択肢もあります。 公式サイトでは、「日本語コマンドだけで高度な RPG 開発ができる、無料のゲーム制作ツール」と紹介されていて、作ったゲームは自由に配布・販売・コンテストへの投稿ができるとされています。画面を大きくできるなどの機能を加えた、有料のプロ版もあります。
| RPG ツクール MZ | WOLF RPG エディター | |
|---|---|---|
| 料金 | 有料(無料体験版あり) | 無料(有料のプロ版あり) |
| 始めやすさ | 素材がそろっていて、すぐ作れる | 自由度が高いぶん、覚えることが多め |
| 自由度 | プラグインで広がる | 仕組みから自分で作り込める |
| 制作する環境 | Windows・macOS | Windows |
| 作ったゲームの公開 | パソコン向け、ブラウザ向け | Windows 向け(有志が作った、ブラウザで遊べるようにする仕組みもある) |
「とにかく早く1本作りたい」なら RPG ツクール、「お金をかけず、戦闘の仕組みなどをいちから作り込みたい」ならウディタ、という選び方ができます。ほかのゲーム制作ソフトとの比較は、無料のゲームエンジン・ゲーム制作ソフト比較で紹介しています。
作りたいゲーム別の選び方
作りたいものが決まっているなら、それに合わせて選びましょう。
| 作りたいもの | おすすめ |
|---|---|
| 王道の RPG を、まず1本完成させたい | RPG ツクール MZ |
| ブラウザで遊べる RPG を公開したい | RPG ツクール MZ |
| お金をかけずに作りたい | WOLF RPG エディター、または MZ の体験版 |
| 戦闘や成長の仕組みを独自に作り込みたい | WOLF RPG エディター、RPG Maker Unite |
| Unity の技術も身につけたい | RPG Maker Unite |
| RPG 以外のゲームも作りたい | Unity、Godot などのゲームエンジン |
RPG 以外のジャンルも考えているなら、どの言語やエンジンを選ぶかは ゲーム制作に使うプログラミング言語が参考になります。
作ったゲームを公開するには
完成した RPG は、フリーゲームの投稿サイトで公開したり、販売サイトで販売したりできます。 RPG ツクール MZ で Web ブラウザ向けに書き出せば、URL を開くだけで遊べる形で公開でき、スマホからも遊んでもらえます。
公開できる場所はフリーゲーム投稿サイト、販売する方法は Steam でゲームを販売する方法で紹介しています。物語のある RPG を作るなら、ゲームシナリオの書き方もあわせて読んでみてください。
まとめ
- これから始めるなら、現行シリーズの RPG ツクール MZ。まずは無料体験版で試す
- MV は、MV 向けの素材やプラグインを使いたい場合の選択肢
- RPG Maker Unite は、Unity の上で動き、C# で大きく拡張したい人向け
- 完全に無料で作りたいなら、WOLF RPG エディター(ウディタ)
どれを選んでも、一番大切なのは最後まで作りきることです。最初は、30分ほどで遊び終わる小さな RPG を目標にしてみてください。
完成したゲームは、Devoch に掲載して、遊んでくれる人に届けることができます。